鏤? Diary Forja-Artistica

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January.21 2016

達磨といちご大福と耐熱防護服

さて。

2016年始まりまして3週間ですが、いかがお過ごしですか?

皆様快調でありますように!!!

私は忙し過ぎた2015年を引きずりに引きずり今更、大掃除や年賀状をしておる始末です。

日本中の年賀状のしんがりは私にお任せ下さいませ。

とは言いつつ。年末年始はのんびりさせていただきました。

年末にふらりと立ち寄った益子の骨董品屋さんで、目が出る達磨を買いました。DSCF1756 - バージョン 2.JPGなんとな〜く気持ち悪い達磨だな。と眺めていたら、

大正頃の物で、神戸からやってきた達磨よ。と店主が説明してくださった。

思えば私の転機は4年程前の神戸だったよなぁ〜DSCF1752.JPG神戸から芽が出たらいいな。

そう思ったらだんだん愛嬌ある顔に見えてきて、無性に欲しくなってゲット。

新年はやっぱりイチゴ大福で始めなきゃね。

本当はイチゴ大福苦手なんだ、でも、このイチゴ大福にその気持ちは覆されちゃった。DSCF1748.JPG時に浮気してよそのを食べてみるんだけど、苦手が蘇ってしまう。

騎西の《美よ志》さんhttp://ichijikuwagashi.com/

皮とあんことイチゴのバランスがパーフェクトでね。酸味と甘味が見事に調和してる!!!

イチゴのみずみずしさにあんこと餅が絡まるように溶けてくの〜(喜)

さてさて、2015年は本当にいろ〜んな事がありました。

忘れる事のできない年になるでしょう。DSCF1441 - バージョン 2.JPG10月から12月までの長期に渡る日新製鋼展は延べ人数800人を超える来場者がありました。

リピーターの方も多いので純粋に800人ではありませんが。

この個展を発端になにやら面白い事が始まる気配がいくつか。実現するといいな。

会場では、無名館さん(http://mumeikan.com/)とリッチさん(http://www.richphotoclub.com/)の撮影による、ダマスカス制作現場風景の動画を流していました。

それが超絶カッコイイのです。その映像達の評判があまりにも良いので、嫉妬しそうでした(笑)。

その動画が年末にミラクルを起こしました。

クリスマスも過ぎ正月の声が聞こえて来た頃、宅急便屋さんがでっかいダンボール箱2つ抱えてやって来た。

伝票を見ると送り主は、先日まで個展していた日新製鋼さん。

箱を開けると大量の防御装備。

耐熱服上下、ヘルメット、ヘルメットに取り付け用の耐熱耐火防塵シールド

ゴーグル、頭巾、脚絆、手袋、革手、耳栓。どれも多種複数ずつ。

更には安全靴、それも短靴とブーツ両方などなどなど。

動画の中の私の仕事をみて「安全に仕事して欲しいから。」って

まるで新入社員の全装備みたい。と勝手な想像をする。

男性の職場だから私のサイズなんて無いだろうからわざわざ用意してくださったのでしょう。

「あれもあった方がいいかな?これも入れてあげよう。」

って考えてくれたのかしら?と知ってる限りの社員さん達の顔を思い浮かべた。DSCN9573 - バージョン 2.JPGとりあえず社章の月星マーク入りヘルメットとゴーグル試着して記念撮影!!

更に日新製鋼展と会期が少々かぶるように始まった名古屋の《株式会社三五》さんも同じ動画を見て

「溶接時、仮止め時でも、ゴーグルちゃんとした方がいいですよ」とゴーグルを送っていただいた。

なんだろ、なんでだろ?こんなに暖かくしていただけるなんて!!心から感謝。

どちらも切なくなるほど嬉しかった。

ずっといろんな物と闘ってきた。

だってダマスカスオブジェ作るアホなんて他に居ないんだから仕方ないよね。

個性や完全オリジナルといえば体裁は良いが、生き抜く為にはそれ相当の覚悟が必要なのよ。

道は自分で切り開らこうって。独自の道を突っ走ってきた。売れる、売れないも度外視。

自分が作りたいから、研究したいからそれだけで制作を続けた。

唯一続けた社会との接点はダマスカスジュエリー。

そんな私を鉄鋼業界の方々が、自然なのか必然なのか多発的に発掘してくださった。

工業の世界から美術の世界に逆輸入されるかのように。その最初が冒頭で述べた神戸だった。

ダンボール箱2つ分の作業着を抱えながら、独立してからの14年を振り返った。

この暖かさに応えよう正直に本気に生きよう。

まだ学生の頃、何も考えずになんとなく口にしていた言葉がある。

「翻訳者になりたい。鉄と人を繋ぐ翻訳者に。」あの頃なぜ私はそう考えたのだろう。1mado.jpg                   《窓格子 学生時代の作品》

今、私はそれができるのは私だと思うんだ。

日新製鋼ギャラリーで展示をしていると複数の会社の鉄鋼マンに出会う。

その鉄鋼マンが「鉄ってこんなに美しいんだね、こんな表情見せるんだね。」と微笑む。それが無条件に嬉しい。

鉄鋼のプロはその美しさを理解しつつ、それを引き出す術は専門外なんだろね。

そして私自身、深く深く鉄を愛している。作家であり鉄の性質を引き出す鍛冶屋の技術をもつ、翻訳者の素質ありそうじゃない?

鉄は用の美だけではないのよ。生命感溢れる純粋な美を持つ。

私は自分自身の芸術性やセンスには懐疑的だから、逆に鉄の声に素直になれるのかな。

鉄という素材を通して《人》と《工業》と《芸術》を結べる作品を作っていこうと決意した。

さあ2016年。どんな年になるのだろう?

皆目見当つかないけど、本気で生きてやる!!!

皆様と皆様の大切な方もHappyな一年でありますように!!!!!

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