海
なんだかね。
私は作家という仕事をしていながらに、自分の才能の無さ、センスの無さ、不器用さその全てに悲しくなるのですよ。
いつも劣等感でぐしゃぐしゃに押し潰されそうになるのです。
もちろん、「また、こんなカッコイイ作品作っちまった!!」とも思うし。
「最高いいもの作ってる。」って自信もあるのですが、
それでも劣等感はあり続けるのです。

そんな私が鉄に惚れたのは当然だったと思う。
あらゆる金属のなかで《たかが鉄》《ただの鉄》の様に、
ないがしろにする修飾語が最も似合うのは《鉄》だと思う。
ありふれ過ぎて珍重されない鉄。
しかしホントは《されど鉄》文明、人類、生命、地球全ての根源とも言える物質。
鉄に出会って、相性イイナと思った。最初は片想いだった。
それが、最近は鉄に愛されてると感じてきた。
劣等感で潰されそうな時、鉄が、ダマスカスが私に呼びかける。
「菜々!!行こう!!進もう!!
君と私は似た者同士。君は私を心底愛してくれてるだろ?
君には私とトコトン向き合う根性がある。だから君が必要なんだ。
私は君に見たことの無い世界を見せてあげよう。さぁ立ち上がれ!!」

私は鉄に生かされてる、
この仕事を手放したら、私は生きる事すらできないと感じる。
Forja Artistica  古屋 菜々