鏤? Diary Forja-Artistica

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July.25 2011

石巻へ

110726_0224~01.jpg...らしくなく、ボランティア。

別に崇高な気持ちがあったわけでもない。

むしろ自分のためだ。

今でも刻まれた 消化しきれない物を抱えつつ、

同時にのほほんと日常を取り戻している

そんな自分が無性に怖くて。

初めて一人でボランティア参加するって勇気いりますね~

あれこれ調べて 日常にさほど支障がなく参加できそうな

羽生市社会福祉協議会主催のバスツアーに参加を決めた。

深夜に出て24時間で作業&往復する。

さてちょっぴり孤独感にドキドキしながら、

7月15日23時 羽生市役所からバスに乗り込む。

バスの隣の席の女性がお一人で参加してて、しかも経験者♪

(一人参加の女性は私たちだけでした)

いろいろ聞けちゃう 一気に安心(^w^)

さぁ目指せ。石巻

眠れない(ρ_;)

バスじゃ眠れないだろうと、 昼間に水泳と鍛冶屋で身体を疲れさせたのに。

高速道路か!? ってくらい道が デコボコで眠りを妨げる。

東北道も未だ 震災の影響残ってるね。

ほとんど眠れぬまま石巻に入る。

街は思ったより被害を感じさせない。4か月経ってるからね。

圧倒されたのは 空き地に積み上げられた 瓦礫の山。

高さ3、4メートルで何百メートルもあったように感じた。

石巻ボランティアセンターに立ち寄る。

色とりどりのテントが並び、まるでなんかのフェス♪110716_1631~02.jpgピースボートのお兄さんが陽気に挨拶してくれた。

お兄さんの テンションと、見た目は レゲエ系フェスの雰囲気。

「この人、こうして明るくみんなを引っ張ってボランティア続けているのか。」と思うと頭が下がる。

私たちの割り当てられた、作業場所はこれまたのどかな市街地。

「ここ!? 埼玉と変わらないけど。」 心の中で拍子抜け。

覚悟して来た悪臭もハエもほぼ無し。

(1日単発で来た一般市民チームは初心者コースを割り当ててるのかもしれない。)

2班に別れ現場へ向かう。

出発前に言われた 「写真撮影禁止」 の意味がわかった。

人々がこうして平常を取り戻しているからこそ 撮影禁止なんだ。

路地の側溝の蓋を外し、 泥を掻き出すのが私達の任務。

海の砂やらなんやらいろんな物が側溝の中に2、30センチ溜まっている。

重い、臭い。そして暑い。

30分働き10分の休憩のサイクル。

ちょうど台風6号前の かなり暑い時期だったけど、なんせチーム羽生!!

羽生市民は気分は熊谷です。 休憩になると

「風が気持ちいいね。 やっぱり東北だね♪」

そして羽生の暑さを 論じる。

私達 羽生チームはとても運が良くて、お昼には 地域の寄り合い所を貸していただけた。

しかも 町会長さんがお豆腐屋さんで、お豆腐の差し入れ付きo(^-^)oお豆腐絶品でした。

今は平和に見えるこの地域も、 津波の時は、床上浸水し、

私達がお豆腐をいただいたまさに、そのテーブルを2段重ねて

その上に立って朝を待った と話してくださいました。

午後になって 1班から助っ人が入り 男手が増えた。 はじかれる女達。

普段から、鍛冶屋も 物流も 男社会だけど

慣れてる仕事や 相手なら、 適材適所になれるけど

単発仕事ではそうはいかない。 非力だなぁ。

たじたじしながら 女性陣も仕事をみつけてふんばる。

ハードな仕事だし炎天下だけど、一日を終えてみると

工房の仕事よりは 体力的にはましかなぁ。

再びボランティアセンターへ。

バスを撮ってみる。 相変わらず大型車が好きなのだo(^-^)o110716_1632~01.jpg

社会福祉協議会の方が

「これから東松島に向かいます。 このままお帰りになっていただいては、

まるで隣町のドブ掃除に来たのと変わらないでしょう。 現実をきちんと見て伝えてください。」

バスが走ってきた道が 海に消えた。

写っている人々は羽生チームCA3C0444.JPG

5分間だけバスから降りて写真も撮らせてもらった。CA3C04430001.jpg

重い。

あえて私が何も言う必要ないだろう。

さて、羽生に帰ろう。

ん!!??

「帰る」 帰るって なんだろう!?

ここに住んでた人々はどこに帰るのだろう?

そもそも命は!?

たった1日のボランティア。

帰る場所、逃げる場所のある自分。

非力な自分。 罪悪感。

でも帰る。  他に何があるというのか?

これも 現実なのだ。

バスはほどなく高速に乗り、しばしうたた寝する。

ふと目を覚ましそれがどこであるかさっぱりわからないけど、

窓の外にひび割れた平地が続く。110716_1726~01.jpg草の少ない平地。木が生える場所とは感じない

なのに唐突に 倒木がちらほら。

津波か。小1時間走ったはずだけど。

考えてみれば当然だよね。 岩手から茨城まで津波来たんだもん。 千葉もかな?

あまりの被害の広さに呆然とする。

私達 羽生チーム 34人が、 1日で掘った側溝は 百メートル程。

私の一掻きが この巨大な災害になんの役に立っているのか?

人とは哀れで小さなものよ。

でもそんなもんなんだろう。

石巻の作業場所の静けさに 拍子抜けした事も、

逆に唖然とする 被害の大きさも、

意味があるのか と思うような 私の一掻きも、

ボランティアとは そういう ≪もの≫ なのだろう。

ボランティアは 救世主でもヒーローでもなく、小さな小さな存在。

でも確実に必要で 塵も積もれば山となる。

また来よう。可能な限り 来ようと思った。

ドロドロになって働く若者達を見て

この国捨てたもんじゃないな。と思った・

それがすべてなのだろう。110716_1747~01.jpgしばらく走ると、ようやく私の知っている東北が現れた。

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