ヨイテコショー  <上社御柱祭>


2010年4月4日午前8時半。 諏訪大社上社御柱祭
木落とし坂の上、本宮四の柱のメドデコの天辺から、幼馴染の掛け声が響く。
「ヨイテコショエー!!」
hon4.jpg
少しかれた 彼の声と
反対側のメドデコの天辺からの
「ヨイテコショエー!!」
の掛け声でⅤ字にそびえた、メドデコが左右に揺れる。
御柱祭については 今更私が語る必要の無いくらい有名なお祭りですね。
まっ 要するに 7年に1度 おっきな木の柱を諏訪大社まで人力で
山を下り、川を越え 町を抜けて 引っ張り、立て換えるという神事。
無知な私は、このお祭りを知ったのが数年前。
その直後、幼馴染の家族が経営する、 八ヶ岳の唐沢鉱泉(http://www.karasawakousen.com)に行き
お祭りの真っ只中にみんなが 居ることを知った。
なんとも不思議な祭だ。
町には木遣り唄や 「ヨイサ~!!ヨイサ~!!」 というかけ声が、 そこここで響く。kurepu.jpg
上社の前宮、本宮各4本計8本の柱は それぞれの引き道程にあり、
時にはメドデコの調整で 御柱に道をふさがれる。 
御柱の通り道には、引きずられた跡が残っている。honnguu3.jpg
氏子の熱気と観光客のひしめきが祭りを盛り上げる。
私達は幼なじみのよしみで桟敷席から
二日で5本の木落としを観ることができた。kiotosi1.jpg
何本も見て 華麗さや危険を目の当たりにしていくと、感動はより強くなる。
「はい、菜々ちゃんコレが注文してた本宮四の半被よ」
とおばちゃんから手渡されたはっぴは
白地にピンクの桜吹雪。背中の御柱祭の文字はエメラルドグリーン★happ.jpg
正直な所、う~ん。 もっと渋いはっぴがいいなぁ
それでも、 本宮四の柱に近づいた時、揃いのはっぴはテンションを上げてくれる。gakutai.jpgピンク地の半被は楽隊。
甲子園みたいなラッパは最初違和感感じたけど、慣れると欠かせない。
冒頭の「ヨイテコショー」は
祭り3日目朝の出陣式のようなもの。
幼なじみ達の晴れ舞台に すっかり惚れ直す。t.jpg
でも、 川越しも見なきゃと、 川まで急ぐ。
木落としは入場制限が厳しく、 観覧席は有料でチケットがないと
近づく事さえできないのに対して、 川越しはフリー。
タイミング良く川に着き
おにぎりをかじりながら、 前宮二の柱の川越しを待つ。
「ヨイサ~!! ヨイサ~!!」と柱が現れ、 ひとしきりパフォーマンス。kawa.jpg
さて赤旗から白旗に変わり 「ヨイサ~!! ヨイサ~!!」 と引き始める
「さぁ!!」 と思った瞬間、 ボキッと鈍い音が河原に響く。
再び赤旗 !!
御柱は逆戻り、 片方のメドデコを調整してる様子。
その間も何人かは、 川の中に立ち綱を引き柱を支える。
寒いやろなぁ(-o-;)
メドデコ復活。
ラッパ隊も元気にファンファーレを奏で、
しきり直しkawahe.jpg
ヨイサ~ヨイサ~!!kawahe.2jpg.jpg
見事に着水。 kawahe3.jpg
アクシデントの分だけ 無事を喜ぶ観客の拍手に暖かさが増す。kawakwra.jpg
さぁ、諏訪大社見て帰ろうかと、 橋まで来たとき
偶然にも幼なじみの 本宮四の柱が木落とし坂で スタンバイしているのを発見した。
疲れて、帰りたがる母を説き伏せ 慌てて桟敷へ。honn4.jpg
あのイケてないと思ったはっぴは、むき出しの地面に
早春の野花のように爽やか。
そこまで考えて デザインしたのかな~。
白旗に変わりほどなく、 花火の煙の中を一瞬にして御柱が落下した。kiotosi.jpg
メドデコは大きく左側に倒れる。
崖からバラバラと落下する者
メドデコや綱に引きずられる者。
木落とし坂は歓声と同時に、 怯えに包まれた。 honn4kiotosi.jpg
一瞬の静けさのあと、 御柱は高々とメドデコを立て直し、
ひやりとした空気は 再び歓声に変わった。buji.jpg
私が見た5本の御柱はそれぞれ落ち方が違っていたが、
装束、パフォーマンス、木落としも全てが本宮四は派手だなぁ。
本宮四の川越しを見れなかったのは残念。
でも、 本宮四では大きな怪我人は出なかったそうだ。
御柱の熱気に包まれていて時々、ふと冷静に立ち戻り アホらしさに笑ってしまう時がある。
この重機の発達した時代に なんとも滑稽である。
たった一本の丸太を3千人以上の手で引っ張り、 それを数十万人の人が見てる。
なんとも不可思議。
その無意味な有意義さ。
実際、 重機を使えば一人でもできる、人間の知恵のすごさ。
が、しかし裸一貫の人間には一人では何もできない無力さ。
同時に自然の偉大さ。
しかし、その偉大な自然をたくさんの人が力を合わせれば 動かせる強さ。
この祭りはきっと、 時代時代とともに、意味を変化させ
たくさんの言葉にならない意味を持つのだろう。
※メドデコ・・・上社御柱に特有に見られる、V字の事。
         前後二組あり、人が乗れるように足場がある。
         メドデコを左右に揺する事で摩擦を軽減し、
         (柱にもよるが)10トンを超える御柱を曳きやすくなる。
※左下タグから唐沢鉱泉をクリックすると、唐沢鉱泉関連記事見れます。


“ヨイテコショー  <上社御柱祭>” への2件のフィードバック

  1. 楽しめたようでなによりです。
    変な祭りだけど、おもしろいでしょ、三大奇祭のひとつだからね、5月の里曳き待ってます。

  2. おさななじみ様←NANA
    おかげさまで本当に、本当に楽しかったよぉ(*^^)v 付き合い長いのに、なぜ御柱のこと知らなかったんだろね。 里引き行きたいけど~(^^ゞ でもまた山に行くよ(^_^)/~その時はゆっくり話したいね。飲み明かしますか!?私ジンジャエールね~♪

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です