2021ハナの乱


今年も、人間界ではコロナウィルスが吹き荒れ受難続きの日々ですね。

人類の一員である私も、もれなく受難を享受している。
個展発表の場がクローズしてしまったり、
営業にも視察にも行かれなくなったり。

そんな矢先、ハナ(エアハンマー)が数年ぶりに不調に陥った。
なにしろパワー不足ヘッドの上がりも遅いし低い。前々からその傾向があったのだが、
ハナを治せるのは大阪の《ホソミエンジニアリング》一社のみ。
お金に疎い私でも修理費のヤバさを想像できるから、おいそれとは治せない。
しばらくは騙し騙し使って来た。
それでも「もうどうにもならん」と一瞬にして悟ったのが1月末だった。

仕方なく細見社長に現状報告の電話をした。
「お〜はなちゃんか〜うんうん。そりゃだめだねぇ。
そいだらいっぺん見てやるね〜。」との一言とスーパーハイスピードで段取り組まれ、
ハナはパッパと大阪に運ばれ修理される段取りが組まれた。

当たり前のように聞こえるけれど、こんなの当たり前じゃない。
製造元の大谷機械がエアハンマーから手を引いている現在、エアハンマーユーザーにはなかなか厳しい。
エアハンマーのような機械は大体中古で買う事が多いが、
ちょっと機械を知ってる素人が自力で直そうと、下手に手出しをするとやばい事になる。
だからエアハンマーが不調になった時に相談できる相手が居るということだけでも感謝すべきなんだよね。
運ばれてたった1週間で、ハナはピッカピカのカッピカピになって帰宅した!!
「ハナちゃんには特に悪いところはありませんでしたよ。
むしろ、細見社長が分解したハナちゃんを見てこんなに古い機械なのに、なんて状態が良いんたと何度も何度もビックリしていましたよ。
なので劣化した消耗品を交換して基本的なメンテナンスのみですよ。」
と再び設置に来てくれたAさん。良かったね〜ハナ‼️
重症じゃなかったし、54歳の年寄り機械だから一度オーバーホール必要だったもんね。
ハナの長い歴史の中で塗り替えられていた似たような緑のペンキは再び大谷グリーンになってる〜。大谷グリーン憧れてたんだ〜

1枚目の写真と色味が変わってるのわかるかな。
それでも、オイルタンクだけは私がハナに出会った時のカラーを残してくれてる事がなんとも嬉しい。

おかげで今はハナと過ごした十数年の中で一番調子が良くなっている。
そんなハナのおかげで私自身が大切なことに気付かされた。

やはりねぇ。機械って修理すると新品同様になったりするけど、人間には後遺症ってのが出ちまうのね。
私は四年前の手術からずっと背中が痛くて。
キッチンでお皿を洗うにも肘をついて身体を支えなきゃならなくなる時がある。
それでも、脊髄腫瘍の後遺症がその程度で済むなんてものすごくありがたい事なので不満なんてない。
でも痛いのは痛いから、一人でこっそり歯をくいしばる。
だから、精神的に逃げ腰になる。こんな重いもの持ったらあとで背中が痛むかな?こんなハードな事したら怖いなぁ〜。と。

だからね〜。この4年間もう、私は昔のようにガチでハナと火と鉄と会話できなくなっていた。
今の身体でできる範囲を楽しもう。だが、こうして人チャレンジ精神を失い死にゆくのだなと。
それが辛くて色んなものから逃げたし、たくさん言い訳考えた。

そんな私とは正反対に、ハナは生まれたてのようにパワフルに戻り、私を火の前に誘う。
若返ったハナは、私に眠る、ハードな仕事もやってのけたいという気持ちを引き出す。
今までより1時間早く自然と目が覚め、家事をして家を出る時間も早くなり、工房着いてからもそそくさと炉に火を入れる。
冒険心がくすぐられ背中に背負った十字架はポイ捨てされた。
痛みなんて知らん。あとで後悔すれば良いじゃん。今は目先の喜びを喜べる事に集中しよう。
今のところ痛みはあるけど、いつもとさほど変わらないや。
言い訳して、逃げてただけじゃん。
カッコ悪いなオレ。

写真はハナを診察するエアハンマーの神様{細見社長。Aさんが大阪で撮影)
「うんうん。はなちゃんは娘のようなもんだからね。ハナに何かあったらいつでも相談するんだよ。」って
私には感謝してもし尽くせないお方がたくさん居るなぁ。
もちろん背中から腫瘍を取り除いてくれた名医も‼️先生私がこんなに元気なのを知ったら喜んでくれるかな。
苦笑いして、無理しないでくださいねって言うかな。


コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です