石巻へ


110726_0224~01.jpg...らしくなく、ボランティア。
別に崇高な気持ちがあったわけでもない。
むしろ自分のためだ。
今でも刻まれた 消化しきれない物を抱えつつ、
同時にのほほんと日常を取り戻している
そんな自分が無性に怖くて。
初めて一人でボランティア参加するって勇気いりますね~
あれこれ調べて 日常にさほど支障がなく参加できそうな
羽生市の社会福祉協議会主催のバスツアーに参加を決めた。
深夜に出て24時間で作業&往復する。
さてちょっぴり孤独感にドキドキしながら、
7月15日23時 羽生市役所からバスに乗り込む。
バスの隣の席の女性がお一人で参加してて、しかも経験者♪
(一人参加の女性は私たちだけでした)
いろいろ聞けちゃう 一気に安心(^w^)
さぁ目指せ。石巻。
眠れない(ρ_;)
バスじゃ眠れないだろうと、 昼間に水泳と鍛冶屋で身体を疲れさせたのに。
高速道路か!? ってくらい道が デコボコで眠りを妨げる。
東北道も未だ 震災の影響残ってるね。
ほとんど眠れぬまま石巻に入る。
街は思ったより被害を感じさせない。4か月経ってるからね。
圧倒されたのは 空き地に積み上げられた 瓦礫の山。
高さ3、4メートルで何百メートルもあったように感じた。
石巻ボランティアセンターに立ち寄る。
色とりどりのテントが並び、まるでなんかのフェス♪110716_1631~02.jpgピースボートのお兄さんが陽気に挨拶してくれた。
お兄さんの テンションと、見た目は レゲエ系フェスの雰囲気。
「この人、こうして明るくみんなを引っ張ってボランティア続けているのか。」と思うと頭が下がる。
私たちの割り当てられた、作業場所はこれまたのどかな市街地。
「ここ!? 埼玉と変わらないけど。」 心の中で拍子抜け。
覚悟して来た悪臭もハエもほぼ無し。
(1日単発で来た一般市民チームは初心者コースを割り当ててるのかもしれない。)
2班に別れ現場へ向かう。
出発前に言われた 「写真撮影禁止」 の意味がわかった。
人々がこうして平常を取り戻しているからこそ 撮影禁止なんだ。
路地の側溝の蓋を外し、 泥を掻き出すのが私達の任務。
海の砂やらなんやらいろんな物が側溝の中に2、30センチ溜まっている。
重い、臭い。そして暑い。
30分働き10分の休憩のサイクル。
ちょうど台風6号前の かなり暑い時期だったけど、なんせチーム羽生!!
羽生市民は気分は熊谷です。 休憩になると
「風が気持ちいいね。 やっぱり東北だね♪」
そして羽生の暑さを 論じる。
私達 羽生チームはとても運が良くて、お昼には 地域の寄り合い所を貸していただけた。
しかも 町会長さんがお豆腐屋さんで、お豆腐の差し入れ付きo(^-^)oお豆腐絶品でした。
今は平和に見えるこの地域も、 津波の時は、床上浸水し、
私達がお豆腐をいただいたまさに、そのテーブルを2段重ねて
その上に立って朝を待った と話してくださいました。
午後になって 1班から助っ人が入り 男手が増えた。 はじかれる女達。
普段から、鍛冶屋も 物流も 男社会だけど
慣れてる仕事や 相手なら、 適材適所になれるけど
単発仕事ではそうはいかない。 非力だなぁ。
たじたじしながら 女性陣も仕事をみつけてふんばる。
ハードな仕事だし炎天下だけど、一日を終えてみると
工房の仕事よりは 体力的にはましかなぁ。
再びボランティアセンターへ。
バスを撮ってみる。 相変わらず大型車が好きなのだo(^-^)o110716_1632~01.jpg
社会福祉協議会の方が
「これから東松島に向かいます。 このままお帰りになっていただいては、
まるで隣町のドブ掃除に来たのと変わらないでしょう。 現実をきちんと見て伝えてください。」
バスが走ってきた道が 海に消えた。
写っている人々は羽生チームCA3C0444.JPG
5分間だけバスから降りて写真も撮らせてもらった。CA3C04430001.jpg
重い。
あえて私が何も言う必要ないだろう。
さて、羽生に帰ろう。
ん!!??
「帰る」 帰るって なんだろう!?
ここに住んでた人々はどこに帰るのだろう?
そもそも命は!?
たった1日のボランティア。
帰る場所、逃げる場所のある自分。
非力な自分。 罪悪感。
でも帰る。  他に何があるというのか?
これも 現実なのだ。
バスはほどなく高速に乗り、しばしうたた寝する。
ふと目を覚ましそれがどこであるかさっぱりわからないけど、
窓の外にひび割れた平地が続く。110716_1726~01.jpg草の少ない平地。木が生える場所とは感じない
なのに唐突に 倒木がちらほら。
津波か。小1時間走ったはずだけど。
考えてみれば当然だよね。 岩手から茨城まで津波来たんだもん。 千葉もかな?
あまりの被害の広さに呆然とする。
私達 羽生チーム 34人が、 1日で掘った側溝は 百メートル程。
私の一掻きが この巨大な災害になんの役に立っているのか?
人とは哀れで小さなものよ。
でもそんなもんなんだろう。
石巻の作業場所の静けさに 拍子抜けした事も、
逆に唖然とする 被害の大きさも、
意味があるのか と思うような 私の一掻きも、
ボランティアとは そういう ≪もの≫ なのだろう。
ボランティアは 救世主でもヒーローでもなく、小さな小さな存在。
でも確実に必要で 塵も積もれば山となる。
また来よう。可能な限り 来ようと思った。
ドロドロになって働く若者達を見て
この国捨てたもんじゃないな。と思った・
それがすべてなのだろう。110716_1747~01.jpgしばらく走ると、ようやく私の知っている東北が現れた。


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