...らしくなく、ボランティア。
別に崇高な気持ちがあったわけでもない。
むしろ自分のためだ。
今でも刻まれた 消化しきれない物を抱えつつ、
同時にのほほんと日常を取り戻している
そんな自分が無性に怖くて。
初めて一人でボランティア参加するって勇気いりますね~
あれこれ調べて 日常にさほど支障がなく参加できそうな
羽生市の社会福祉協議会主催のバスツアーに参加を決めた。
深夜に出て24時間で作業&往復する。
さてちょっぴり孤独感にドキドキしながら、
7月15日23時 羽生市役所からバスに乗り込む。
バスの隣の席の女性がお一人で参加してて、しかも経験者♪
(一人参加の女性は私たちだけでした)
いろいろ聞けちゃう 一気に安心(^w^)
さぁ目指せ。石巻。
眠れない(ρ_;)
バスじゃ眠れないだろうと、 昼間に水泳と鍛冶屋で身体を疲れさせたのに。
高速道路か!? ってくらい道が デコボコで眠りを妨げる。
東北道も未だ 震災の影響残ってるね。
ほとんど眠れぬまま石巻に入る。
街は思ったより被害を感じさせない。4か月経ってるからね。
圧倒されたのは 空き地に積み上げられた 瓦礫の山。
高さ3、4メートルで何百メートルもあったように感じた。
石巻ボランティアセンターに立ち寄る。
色とりどりのテントが並び、まるでなんかのフェス♪ピースボートのお兄さんが陽気に挨拶してくれた。
お兄さんの テンションと、見た目は レゲエ系フェスの雰囲気。
「この人、こうして明るくみんなを引っ張ってボランティア続けているのか。」と思うと頭が下がる。
私たちの割り当てられた、作業場所はこれまたのどかな市街地。
「ここ!? 埼玉と変わらないけど。」 心の中で拍子抜け。
覚悟して来た悪臭もハエもほぼ無し。
(1日単発で来た一般市民チームは初心者コースを割り当ててるのかもしれない。)
2班に別れ現場へ向かう。
出発前に言われた 「写真撮影禁止」 の意味がわかった。
人々がこうして平常を取り戻しているからこそ 撮影禁止なんだ。
路地の側溝の蓋を外し、 泥を掻き出すのが私達の任務。
海の砂やらなんやらいろんな物が側溝の中に2、30センチ溜まっている。
重い、臭い。そして暑い。
30分働き10分の休憩のサイクル。
ちょうど台風6号前の かなり暑い時期だったけど、なんせチーム羽生!!
羽生市民は気分は熊谷です。 休憩になると
「風が気持ちいいね。 やっぱり東北だね♪」
そして羽生の暑さを 論じる。
私達 羽生チームはとても運が良くて、お昼には 地域の寄り合い所を貸していただけた。
しかも 町会長さんがお豆腐屋さんで、お豆腐の差し入れ付きo(^-^)oお豆腐絶品でした。
今は平和に見えるこの地域も、 津波の時は、床上浸水し、
私達がお豆腐をいただいたまさに、そのテーブルを2段重ねて
その上に立って朝を待った と話してくださいました。
午後になって 1班から助っ人が入り 男手が増えた。 はじかれる女達。
普段から、鍛冶屋も 物流も 男社会だけど
慣れてる仕事や 相手なら、 適材適所になれるけど
単発仕事ではそうはいかない。 非力だなぁ。
たじたじしながら 女性陣も仕事をみつけてふんばる。
ハードな仕事だし炎天下だけど、一日を終えてみると
工房の仕事よりは 体力的にはましかなぁ。
再びボランティアセンターへ。
バスを撮ってみる。 相変わらず大型車が好きなのだo(^-^)o
社会福祉協議会の方が
「これから東松島に向かいます。 このままお帰りになっていただいては、
まるで隣町のドブ掃除に来たのと変わらないでしょう。 現実をきちんと見て伝えてください。」
バスが走ってきた道が 海に消えた。
写っている人々は羽生チーム
5分間だけバスから降りて写真も撮らせてもらった。
重い。
あえて私が何も言う必要ないだろう。
さて、羽生に帰ろう。
ん!!??
「帰る」 帰るって なんだろう!?
ここに住んでた人々はどこに帰るのだろう?
そもそも命は!?
たった1日のボランティア。
帰る場所、逃げる場所のある自分。
非力な自分。 罪悪感。
でも帰る。 他に何があるというのか?
これも 現実なのだ。
バスはほどなく高速に乗り、しばしうたた寝する。
ふと目を覚ましそれがどこであるかさっぱりわからないけど、
窓の外にひび割れた平地が続く。草の少ない平地。木が生える場所とは感じない
なのに唐突に 倒木がちらほら。
津波か。小1時間走ったはずだけど。
考えてみれば当然だよね。 岩手から茨城まで津波来たんだもん。 千葉もかな?
あまりの被害の広さに呆然とする。
私達 羽生チーム 34人が、 1日で掘った側溝は 百メートル程。
私の一掻きが この巨大な災害になんの役に立っているのか?
人とは哀れで小さなものよ。
でもそんなもんなんだろう。
石巻の作業場所の静けさに 拍子抜けした事も、
逆に唖然とする 被害の大きさも、
意味があるのか と思うような 私の一掻きも、
ボランティアとは そういう ≪もの≫ なのだろう。
ボランティアは 救世主でもヒーローでもなく、小さな小さな存在。
でも確実に必要で 塵も積もれば山となる。
また来よう。可能な限り 来ようと思った。
ドロドロになって働く若者達を見て
この国捨てたもんじゃないな。と思った・
それがすべてなのだろう。しばらく走ると、ようやく私の知っている東北が現れた。